収益改善の鍵は土にあり!11月「土づくり月間」(第4回)
土壌診断用バイオセンサー研究会の橋本好弘です。
もう一人の『土のお医者さん』 AGURI DESIGN COMPANY株式会社 山下雄さんとのコラボ企画・第4回です!
11月は「土づくり月間」です。収穫量を確実にアップさせるために、土づくりをもう一度見直してみませんか?
今回は土の化学性について話します。
植物の生育を観察してみましょう。
- 葉の色を観てみましょう。下の方の葉の色が、黄色くなってきていませんか?窒素・リン酸・カリ不足の合図かもしれません。上の方の葉の色が、黄色くなってきていませんか?鉄・カルシウム・ホウ素などの欠乏症状かもしれません。
- 土壌のpHによっても肥料養分の溶解度が変化するため、欠乏症や過剰症が発生する場合があります。酸性になると、有害なアルミニウムなどの溶解度が増します。アルカリ性になると、マンガンやホウ素の溶解度が低下し、一方、モリブデンは溶解度が高まります。
- 多くの作物では土壌pH6.0~6.5の微酸性域で生育が良いですが、ホウレンソウやレタスなどは中世に近い方が生育が良く、茶やブルーベリーは酸性側で生育が良いです。
- 土壌粒子(粘土粒子)は、肥料養分を保持する力があります。粘土粒子の表面に金属イオン等が存在していて、多くはマイナス荷電を持っているので、プラスに荷電する肥料養分と緩やかに結合する力が働き、アンモニア態窒素、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄などの肥料養分を保持する事が出来ます。
- 電気伝導度(EC)を測る事で、おおよそですが、土壌中の水に溶けている塩類濃度を調べる事が出来ます。
作物の生育状況を観察する事で、栄養状態や病害虫の発生の有無が判ります。
作物の生育・収量は、肥料養分の過不足によって大きく変化します。では、肥料は、多量に施用した方が収量は上がるでしょうか?そうとも限りません。肥料過多は、肥満体質の作物体を作り、病害虫に弱い作物となる事でむしろ減収となる事もあります。過剰な肥料は生育障害を引き起こすこともあります。化学肥料の多量施用で土が硬くなり、物理性が悪化して、次第に減収となってくる場合もあります。1回限りの生産ではなく、その後の生産も考えて持続可能な作物生産をするための土づくりを行っていきましょう。
11月は、「土づくり月間」。みんなでもう一度、土づくりについて考えてみませんか。
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土の健康診断で収穫アップ!「土のお医者さん」にお任せください。
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農業生産を支える大切な「土」ですが、化学肥料や農薬の連用により少しずつやせ細っています。私たちは、土の生物性に注目した診断で、健康で豊かな土を取り戻すお手伝いをしています。
持続可能な農業の実現に向けて、ぜひ一緒に土の健康を見直していきましょう。
次回は「土の生物性」について早速、説明していきますので、しばしお待ち下さい(笑)
それでは、また次回お会いしましょう!
【お知らせ】
今月末にウェビナー開催決定しました!詳しい内容は来週お知らせいたします!
詳しくは下記へアクセスすると今回のコラボ企画内容が確認できます。
ご興味のある方はご確認いただれば幸いです。
https://academy.aguridesign.com/p/collaboration202411
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◼︎土壌診断用バイオセンサー研究会
橋本 好弘 博士(農学)
九州大学で土壌微生物・化学会社で化学物質の微生物合成と分解・東京大学で遺伝子操作・種苗会社で種子と農業資材・東京工科大学でバイオセンサーを学ぶ。博士号(農学)を取得。これらの知識と経験を生かし、バイオセンサーを用いた土壌の生物性診断装置を開発し、特許を取得。生産者やこれを支える人々に寄り添い、多様で複雑な土壌環境・土壌微生物について判り易く数値化・解説し、現場に役立つサポートを行います。
◼︎AGURIDESIGNCOMPANY 株式会社
山下 雄
文部科学省国家資格である技術士(農業部門 農芸化学)のなかでも、土壌肥料および土壌改良、肥料の品質の技術専門コンサルタントです。技術士国際基準のIPEA国際エンジニアおよびAPECエンジニアの資格も取得しております。農林水産業に関するコンサルティングを得意とし、作物の適性に合わせた土づくりや土壌分析など、国内外の技術指導を通じ現場におけるあらゆる問題点を専門的な知識と経験からトータル的に課題解決を提供いたします。
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